自然写真家・栗田貞多男の撮影日記

Sadao kurita Photography Diary


JPS(日本写真家協会)自然写真家・栗田貞多男の信州の四季の撮影記録を綴ります。
(写真の無断使用はかたく禁じます)

初冬の小さなシーン、霜と落葉

凍えるような里山の朝、小道にはコナラやさまざまな木々の落葉が霜をつけています。

 

特に目立つのは、ミズナラの葉。

ノコギリの大きな刃のような形が霜にフチ取られて一層はっきりします。

まだ緑色の小さな下草もそれなりに、皆、白く装おっています。

撮りだせば、切りがありません。

 

こんなシーンだけでミニ写真集づくりもおもしろいのでは!!

 

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ミズナラの落葉。葉柄から葉先まで10センチくらいと大きめ。

標高800m以上の高原山地に多い。

 

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日陰の落葉。

フローズン状態だが日が当たれば1時間足らずで霜も消える。

国蝶・オオムラサキ 越冬幼虫調査(長野市松代)

一ヶ月近く過ぎてしまいましたが、長野市郊外の松代の里山で、オオムラサキ越冬幼虫の調査を地元の方々主催にて行い、私も参加しました。

 

期日は11月24日。長野県北部、標高約300メートルのこの地では、ちょうどこの頃直前に一気に寒くなり、オオムラサキ幼虫も食樹エノキから一晩のうちに幹を降り、根元近くの落ち葉に潜り込みます。

 

という訳で、地元で環境整備や保護活動に数年間取り組んでおられる20数名の方々とエノキ根元周辺の落葉を一枚一枚裏返しつつ(越冬幼虫が落葉裏側に止まっているため)、根元から5mほどから探索!

 

ところが、いない!!根元1m近くになってもゼロ!!

いささか皆焦ってきたところ、「いた!いた!」の声。

それから、よくよく根元近くから計20頭以上を発見し、安心しました。

 

成蝶の飛ぶ空間などを伐採整備したので、来年夏が楽しみです。

(※尚この地は「オオムラサキの森」として地区で保護しており、無断入場できません)

 

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エノキ大木の根元周辺の落葉を一枚ずつ探す

 

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葉裏のオオムラサキ幼虫。体長2センチ弱。保護色となり、目立たない。

 

f:id:kuritasadao:20171218104514j:plain翌春4月。越冬からさめた幼虫は摂食を再開し、6月にサナギになり7月初め頃、羽化する。(写真は生態写真集

『オオムラサキ』より)

 

 

 

 

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生態写真集「オオムラサキ

在庫あり!

ご購入・詳細についてはHPまで 

オオムラサキ/クリエイティブセンター

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朝焼けの北アルプス

12月に入り、北アルプス連山もしっかりと雪化粧。

 

早朝、長野市内の自宅を出て、戸隠高原の西端、大望峠へ。

名のごとく、北アルプスが一望。八方尾根から五竜鹿島槍、はるか南端には常念・槍ヶ岳まで遠望できます。

 

惜しむらくは白馬三山が手前の一夜山に隠れ見えませんが。

 

AM6:30、大望峠着。まだ北アルプスの峰々にも朝陽は差していません。

AM6:50の、朝陽が始まり、約30分間、刻々と変化しました。

 

 

AM6:50

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AM6:53

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AM6:55

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AM7:00

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AM7:15

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新雪と紅葉のコントラスト

長野県北部の飯綱高原。2015年に「妙高戸隠連山国立公園」として新たに指定された妙高山、黒姫山を望む霊仙寺湖があります。

 

新雪の湖畔には、メタセコイアの大木があり、まだ紅葉に彩られて背景の山々とのコントストも美しい。

 

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1月中〜下旬になると湖面は結氷し、ワカサギの穴釣りの色とりどりのテントもまたカラフルで楽しい。

 

長野市内から30分足らず、オススメの撮影ポイントです。

 

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山村残照

長野市内からマイカーで1時間足らずの戸隠高原は、由緒ある戸隠神社の地でもあり、宝光社・中社・奥社と続く。

 

そのいちばん手前の宝光社周辺は田畑も多く、イネ・ソバ・豆類などが栽培されている、のどかな地である。

 

戸隠連峰はすでに陽も落ちているが、最後の夕陽が畑と曲がりくねった細い農道を朱色に染めていった。

 

 

 

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こんなシーンは、落日寸前のほんの20〜30分だろう。

感謝!!

 

 

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戸隠高原・鏡池夕映え

今秋、戸隠連峰新雪が遅く、なかなか新雪のベストシーンに出会えてませんでしたが、12月2日、夕映えに染まり湖面に映り込む姿を撮りに鏡池に。

 

幸い、昼過ぎから空を覆っていた雲は見事に晴れ渡り、湖面もまさしく磨き込んだ鏡そのもの。

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西岳の突峰は陽を落として、どっしりと青黒く、対峙する表山は赤く燃える岩屏風のよう。 

 

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湖面も日本画の情景でした。

 

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黎明の鹿島槍ヶ岳

端正な双峰で知られる北アルプス後立山連峰の盟主・鹿島槍ヶ岳(2889m)。

その双峰が最も美しく望める地は、大町市黒沢高原・大町市美麻・小川村あたりでしょう。

 

南峰と北峰が違いに拮抗しつつ比の打ち所のない調和を保ち、美と険しさをみせてくれます。

 

12月3日、AM6:30。夜明け前に戸隠の大望峠に到着。やがてはるか西方に並ぶ後立山連峰の頂きが朝焼けに染まり始める。

刻一刻と朝焼けは山々を明るく映し出し、その変化にひたすらシャッターを押し続ける。

 

AM7:10、朝のページェントは終わり、山稜も一面に白く輝いた。

 

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