自然写真家・栗田貞多男の撮影日記

Sadao kurita Photography Diary


JPS(日本写真家協会)自然写真家・栗田貞多男の信州の四季の撮影記録を綴ります。
(写真の無断使用はかたく禁じます)

白馬山麓のギフチョウ・ヒメギフチョウ交雑個体、撮影

5月15日、長野県白馬村神城にてギフ×ヒメギフチョウの交雑個体を竹ノ内博明氏が撮影されました。 竹ノ内氏はイギリス在住で今回始めて日本産のギフ・ヒメギフチョウの撮影に訪れたとのことで、まさしくビギナーズラックそのもの。おそらく当地成虫の1/100〜…

ギフチョウ・ヒメギフチョウ交尾拒否とスフラギス(交尾後付属物)の形成

両種では交尾後に♂によって♀の交尾口にスフラギス(交尾後付属物)が塗りつけられ塞がれ、二度と♀の交尾が出来なくなるといわれます。 ところが現地での観察では交尾完了後のギフチョウ♀が飛び立った瞬間に、たまたま飛来した別の♂が再びもつれ合って地表に…

ギフチョウ・ヒメギフチョウ、羽化直後の交尾①

ギフチョウ・ヒメギフチョウの交尾は、林縁の低木下枝などで比較的よく目にします。 それらの個体は羽化直後でようやくフラフラと飛び始めた♀を、探雌のため飛翔中の♂が目ざとく見つけ、求愛から半強制的(?)に交尾に至るようです。 羽化直後のギフチョウ♀ …

白馬山麓、なぜギフチョウとヒメギフチョウは混棲するのか?

白馬山麓においてもギフとヒメギフチョウの混棲地はごく限られています。 なぜその地だけに混棲するのか!? その地においてはヒメギフチョウの発生は、通年4月15〜20日頃からです。一方、ギフチョウの発生は10日ほど遅れます。 両種の雑交はその交尾器の…

信州北部。減少するヒメギフ、増加するギフチョウ

約半世紀、50年ほども前。長野県北部の長野市周辺はヒメギフチョウだけの世界でした。 長野市から北へ50キロほどの飯山市黒岩山以北、及び西へ50キロほどの白馬山麓はギフチョウの世界でしたが、長野市周辺は、カンアオイが生育せずヒメギフチョウだけが各地…

アルプスの見えるヒメギフチョウ生息地

白馬山麓オススメ撮影ポイント第一番は、 新田神社のある小山山頂。 はるかに残雪の八方尾根を望み、参道に沿って植えられたオオヤマザクラの花から花へ「春の舞姫」が舞う・・・。 まさに夢のようなシーンが展開します。 4月15日〜20日頃がベストです。 小…

白馬山麓 ギフチョウ・ヒメギフチョウ 発生状況!!

今春の白馬山麓は残雪も少ないものの、吸蜜源のカタクリもまだ咲いていません。 一年ぶりのリュードルフィアの姿も、新田のヒメギフからはじまり、八方のギフ、神城のギフ・ヒメギフ混棲地など続々と姿が見れるでしょう。 4月12日(木)の状況....。 新田の…

【特集】ギフチョウの里 「第10回 / ギフとヒメギフ、どちらが早く羽化!?」

ギフチョウとヒメギフチョウの混棲地としては東北や北信濃の一部などが知られていますが、このような地では、どちらが早く羽化するのでしょうか。 長野県北部、信越県境に位置する混棲地は、豪雪地帯としても知られますが、両種の発生はヒメギフチョウが4月…

【特集】ギフチョウの里 「第9回 / 春一番、ヒメギフチョウ羽化」

早春、ギフチョウ・ヒメギフチョウの地表にある蛹からの羽化は、毎春見ていながら感動もの!! あの固い殻にピシっと胸部と腹部間に一つの筋入り、見る間に成虫が抜け出します。 抜け出した直後、成虫は地表をめまぐるしく歩き回り、近くの小枝や突きだした…

【特集】ギフチョウの里 「第8回 / ギフチョウ一年ぶりの再会へ!」

私の住む北信濃はまだヒメギフチョウも少し早く、やむにたまらず新潟や富山のギフチョウ再会へ.....。 長野県からはマイカーにて約2時間、新潟県糸魚川市へ。 日本海にもほど近い里山は常緑の草木も多く、暖地そのもの。 信州には少ないヒメサエリの花も美…

【特集】ギフチョウの里 「第7回 / 今シーズンのリュードルフィア 発生時期は!?」

もちろんリュードルフィア愛好家の皆さんは、いわずものがのテーマにて....。 私の住む信越県境近くは日本でも屈指の豪雪地帯にて、春先になってもその残雪状況や日照などにより両種の羽化出現時期が毎年、異なります。 さて、今春のギフチョウ、ヒメギフチ…

【特集】ギフチョウの里 「第6回 / キクザキイチリンソウとギフチョウ訪花」

キクザキイチリンソウは淡青色の小花を密集する美しいスプリングエフェメラル。 信越県境の小谷村のギフ・ヒメギフ混棲地にも、残雪の北アルプスを見る地にあります。 このいわばベストポイントで、待つこと数時間、付近を飛び回っていたギフチョウが訪花...…

【特集】ギフチョウの里 「第5回 / キブシの花とヒメギフチョウ吸蜜について」

私の住む長野市周辺はヒメギフチョウの生息エリアで、春先に羽化したヒメギフチョウはカタクリやスミレ、それと里山の小木、キブシの花にもよく訪れます。 キブシに訪花したヒメギフチョウは長時間(10秒から数分間)吸蜜した後、飛び立ちますが、そのほとん…

【特集】ギフチョウの里 「第4回 / ギフチョウ探訪:北海道のエゾヒメギフチョウは、なぜ黄色い花を好むのか!?」

北海道のヒメギフチョウは、その形態から亜種エゾヒメギフチョウとされますが、吸蜜植物も本州とは異なり、黄花のエゾノリュウキンカ、青色のエゾエンゴサクなどが主となります。 これは、なによりこれらの花の群落が生息地近くに多いということで、チョウも…

【特集】ギフチョウの里 「第3回 / ギフチョウ探訪:ギフチョウたちは、赤紫系以外の花にも訪花するのか!?」

本州でのギフチョウ属の求愛花としては、前回のカタクリやスミレ類、サクラ類の他、淡黄色のキブシ(小木)や青白系のキクザキイチリンソウなどが知られます。 (『ギフチョウの里』P56、P57) ところが北海道ではエゾノリュウキンカがいちばん好まれるとか…

【特集】ギフチョウの里 「第2回 / ギフチョウ探訪:なぜギフチョウたちは、カタクリを好むのか!?」

ギフチョウ、ヒメギフチョウは春先、カタクリの開花と合わせるように羽化し、カタクリの花から花への訪花吸蜜を繰り返します。 もし、羽化した場所にカタクリがなければ次にタチツボスミレやサイシンなどのスミレ類を探して吸蜜したり、マメザクラやチョウジ…

【特集】ギフチョウの里 「第1回 / イエローバンドかイエローリングか!?」

2016年発売の『ギフチョウの里』。 内容の紹介や、刊行に至るまでのエピソードなどをシリーズで紹介いたします! 第1回「イエローバンドかイエローリングか!?」 長野県白馬村のギフチョウは、10%以内程度の発生率で前後翅外縁の縁毛が黄白色化した個体が現…

森の宝石・ゼフィルス。越冬卵 名前あてクイズ(3)

春先、里山の陽だまりに越冬明けのスジボソヤマキチョウやミヤマセセリ、コツバメなどが姿を見せる頃、近くの雑木林でゼフィルス越冬卵を探すのは訪れる春を感じる第一歩です。 では、越冬卵の種類あてクイズ3です。 (1) (2) (3) 答えは下へ ・ ・…

冬の撮影ポイント 真冬の妙高山とイモリ池

新潟・長野県境近く、妙高高原のイモリ池は真冬でもマイカーで気軽に訪れることのできる写真愛好家向けの好ポイント。 特におすすめは、新雪の翌朝!! くっきりと望む妙高山は両翼を広げたワシのよう.... 結氷した湖面には湖畔の木々がシルエットを映し込み…

森の宝石ゼフィルス。越冬卵 名前あてクイズ(2)

越冬卵探しは、シーズンオフのゼフィリストにとっては、のんびりと里山歩きを楽しみながら夏の余韻にもふれるひとときですが、1本1本の枝を目をこらしながら探しつづけ、そして発見した瞬間の喜びは、寒さも吹き飛ばしてしまいます。 では越冬卵クイズ2で…

諏訪湖「御神i渡り」ピークに!!

1月下旬からの大寒波により出現した諏訪湖の「御神渡り(おみわたり)」は、2月5日に拝観式が行われ、正式に認定されました。 この後も連日の極寒にて御神渡りは日に日に発達し、近年例のないほどの見事さです。 この週末までがオススメですが、その後は天候…

白馬山麓、雪の下のギフチョウ蛹

スキーのメッカ、北アルプス白馬山麓。 信越県境の豪雪地帯ですが、その雪の下にはギフチョウ・ヒメギフチョウの蛹(さなぎ)が眠っています。 秋のうちに見つけておいた蛹は、倒木の樹皮裏に雪をさけて隠れるように貼り付いています。 朝焼けの白馬八方尾根…

森の宝石・ゼフィルス。越冬卵 名前あてクイズ(1)

日本各地の森に生息する美しいシジミチョウ、ミドリシジミ族・ゼフィルスの越冬卵はすべて直径1ミリ足らずで、大きさ・形・産卵されている食樹・産卵位置、産卵数も種ごとに異なり、慣れてくるとその卵を見るだけで種類も判別できます。 では、まず越冬卵の…

諏訪湖で「御神渡り」拝観式

5日朝、5季ぶりに御神渡りが出現した諏訪湖で、湖面を覆った氷に節(亀裂)が入り、一列にせり上がる「御神渡り」(おみわたり)を正式決定する神事「拝観式」が行なわれました。 今季の占いから、今年の天候は「不安定から順調へ」、作柄は「やや良」、経済…

山のくらし 竹細工

北信濃は戸隠高原。 ここはこの地特産の根曲がり竹だけを使った竹細工の里でもあります。 霧下蕎麦でも知られる戸隠蕎麦を盛る平たい小ざるはじめ、大ざる、手提げ籠、農具まで多種多様。 戸隠中社始め、竹細工店があって、覗いてみるだけでも楽しい。 これ…

諏訪湖の御神渡り(おみわたり)、ついに....

都内などの大雪や各地で水道凍結など、このところ大寒波の影響が伝わってきます。 長野県の中央部、諏訪湖も日に日に全面結氷が進み、ついに4〜5年ぶりの御神渡り(おみわたり)が出来初めました。 まだその規模は小さいものの、さらに大きく盛り上がり、諏…

コハクチョウとカモの群れ 諏訪湖

長野県のほぼ真ん中、諏訪湖は標高約800メートル。 毎年1月中旬ともなると結氷が始まります。 それでも湖に注ぐ砥川周辺では、やや水温が温かいためか、コハクチョウやコガモ・マガモなどが集まり、時間を決めての餌やりも行われています。 泳ぐもの、水上で…

冬の森、ぜフィルス(ミドリシジミ族)の越冬卵を求めて Ⅱ

前回は高原のブナ林に生息する、フジミドリシジミをとり上げたので、今回はごく里山に近いメスアカミドリシジミを紹介します。 この越冬卵は日本産ゼフィルスの中で最も大きく美しい一つで卵のひとつで直径1ミリ強。ルーペでのぞくと、おまんじゅう型の表面…

爆発の本白根山、高山植物と高山蝶のダメージは!?

只々、おどろくばかりの本白根山爆発ですが、私などナチュラリストにとっては、今春以降、はたして本白根山の生態系・動植物はどうなっていくのか....それが心配です。 本白根山の全容と今回の噴火地・鏡池周辺について 本白根山の山頂一帯は広大な火口原に…

コマクサと高山蝶ミヤマモンキチョウ 本白根山 爆発

長野・群馬県境の本白根山(2171m)が1月23日、水蒸気爆発したニュースはまったく誰も予期しなかったことで大変驚きました。 私も何回か、高山植物のコマクサと高山蝶ミヤマモンキチョウの撮影に登っていますが、爆発の気配などまるでない古い巨大な火口原…